なぜネット情報で間違えを犯しやすいのか
まず最初に断っておきますとインターネット自体は悪くありません。そこに記事を書いている人たちの中には、いろいろな人がいますという話をお伝えします。
まずネットを見ていると似通った内容が多いことに気づくと思います。
もし執筆者が一人ひとり自分で経験してきたことを基に自分の頭で考え、自分の価値観に照らして記事を書いているならば、そうそう似た記事にはなりません。
似た記事がいくつも存在する理由は、他のサイトをコピーしているからです。
正確に言いますと、コピーして多少書き換えて、写真などを入れ替えて記事にします。
これは業界では当たり前の手法で、リライトと呼ばれています。
記事を短期間に量産するときに推奨されているやり方で、この方法によれば執筆者が犬や猫を飼っていなくても記事を書くことができます。
獣医師から勉強を教わらなくても、たぶん中高生であっても書けてしまいます。
また記事のコピーは一回では終わりません。
そのコピー記事をまた誰かがコピーして書き換える可能性も大いにあるわけです。
素人さんが少しずつ書き換えるのですから、伝言ゲームのように最終的にはおかしな記事に仕上がってしまう可能性もあります。
また今のインターネットにはアフィリエイトと呼ばれる仕組みのサイトが多々あります。
サイトに広告を貼り、それをクリックしてもらうことで報酬をもらえる仕組みで、前々からありましたが数年前の副業解禁で一気に増えた感があります。
そうしたサイトもやはりリライト手法によって量産されやすく、犬を飼っていないサラリーマンでも副業として容易に参入可能です。
それに比べて動物病院のホームページは情報源としてはまだだいぶ良いですが、どこも経営が厳しくなりつつある状況下では、中立的なところばかりではないだろうと推測できます。
いまの時代にいる我々はどうしてもそうした情報源から学ぶことになってしまいます。
ついついどこのサイトにも書いてあると正しい情報だと考えがちですが、たくさんのコピーを読んでいるだけかもしれません。
なおグーグルなどの検索エンジンは記事に順位をつけて、順番に表示します。
ですので執筆者はアクセス数を稼ぐために、順位を上げるためのセオリー(SEO対策と呼ばれています)に従って書くことになります。
ちなみに正しいことをズバッと簡潔にまとめた記事よりも、5000文字くらいだらだら書くほうがグーグルに好かれるケースもあります。
何時間読んでもあまり勉強にならないという場合は、そのようなウラ事情があることも知っておくと良いかもしれません。
こんな時代だからこそ、私たちは自分の目を信じ、そして養い、個々の飼い主力を高めていく必要があると言えるでしょう。