多すぎる検査とリスク

検査は、病気の有無や健康度をチェックしたり、しっかり治療効果が出ているかを確認するために有益です。
ただもちろん受ければ受けるほど病気が治るといったものではありません。
短い間隔で受ければ当然のこと細かい変動を捉えられますが、それが本当に意味を成すかどうかは状況によりますし何とも言えません。
検査は本人にとって負担になります。
負担というのは肉体的なものだけでなく、どちからといえばメンタル的なストレスです。
恐怖の体験はその日だけの問題ではなく、それ以降ずっと続くトラウマになる可能性もあります。
毎晩の夢でうなされるかもしれませんし、消毒剤の臭いをかいだとき、金属音を聴いたときに検査のシーンが蘇るかもしれません。
メンタルの良し悪しは自律神経を介して本人の免疫系や自然治癒力にも影響を及ぼしますから、たかが検査と侮らないようにしましょう。

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意欲と長生きの関係

多くの飼い主様の話を聞いてきて、メンタルと肉体的な健康には密接な関わりがあることを実感してます。 特に高齢の犬猫では意欲が大切です。 説明が下手かもしれませんが、私の考えをお伝えしておきます。 人も犬も猫もみんな同じように肉体があって脳があります。 そして肉体は脳によってコントロールされています。 ここまでは誰もが知るところです。 その脳は何によってコントロールされかと言えば意識です。 意識は現代の科学や医学を持ってもほとんど解明されていない部分でありながら、事実として私たち一人ひとりに間違いなく存在しています。 肉体に意識が宿ると考えることもできます。 ですが「まず意識が存在していて、脳と肉体はその器である」と考えたほうがしっくりきます。 怖いことをイメージしたときのことを考えてみましょう。 私たちは意識の中で怖いシーンを思い描くとき、脳はそれを受けて肉体に指示を出します。 いつでも逃げ出せるように呼吸を増やし心臓の拍動を強め、瞳孔を開きます。動物であれば耳を立てて周囲の音をよく拾うようにします。 ちなみにそのような緊急事態に対応した肉体状況は長生きにはまったく向きません。 眠ることすらままなりません。 ですので意識が恐怖のイメージから開放されると脳はそれを肉体に伝えて緊張を解きます。 やがて心身ともに平常な状態に戻ります。 命というものが意識+脳+肉体の3つで構成されていることが少しお分かりになったかと思います。 また考え方によりますが方向としては 【意識→脳→肉体】 のようになっているという話もなんとなくご理解いただけたでしょう。 科学や医療が主に介入できるのは、3つの中の肉体部分です。 この肉体でさえ未解明部分を多々残しているわけですが、それでも科学の進歩でだいぶ解明が進んできているジャンルです。 脳についてはまだまだで、一般科学だけでなく脳科学と呼ばれるような学問も取り入れて、なんとか説明できるような領域です。 そして意識についてはもう目で捉えるような物質ではありませんから科学で説明できる範疇ではありません。 無理やり説明するとすれば、最新物理学である量子物理学(超ひも理論)を持ち出すことになるでしょうが、そうなると現代医学をはるかに超越します。 意識を扱うならば、むしろ理系よりも文系のほうが強さを発揮します。 どちらかというと今はあまり関心を注がれない心理学や哲学こそ、意識の研究に適した学問です。 信念や人生観、希望や意欲といったものは医療の現場で無視されがちです。 だからこそ私たち飼い主が常に大切にするべきです。 意識を無視した健康法は、真の健康法にはなりえません。 明日はどんな楽しみが待っているだろう?まだまだボクは楽しみたいよ! これは生きる意欲になり寿命を伸ばすコツです。 もし本人の調子が悪ければ、なおさら積極的に元気を注入するべきです。 悲しい顔、不安な声はNGです。 「大丈夫だ、私に任せておきなさい!」という声かけがどれだけ意欲を高めるか。 科学ではとても計り知れません。 意欲的で健全な意識は脳を介し、自律神経を伝い、ホルモンを伝い、肉体の治癒力を高めます。 ※これをいきなり言ってしまうと伝わりにくいので、だいぶ前置きを長く書きました。 真の健康は、常に理系と文系の両手でつかみ、抱きしめるものです。 「笑う門には福来る」 医療とかけ離れたようなこの言葉も、どうか信じてみてください。

療法食の落とし穴

療法食はある病気に着目し、病気の進行を幾分でも抑えようとする目的の食事(フード)です。 その病気だけを見たとき、療法食を与えることにはメリットがあります。 しかし体全体を見たときには、多少なりとも何らかの問題を持っています。 なぜそう言えるかを簡単な例で説明します。 猫は高齢になると腎臓が弱くなるケースが多いことが知られています。 であれば生まれた時から腎臓ケアの療法食を与えておけば良いわけですが、それは勧められていません。 なぜならば療法食はある意味で制限食、つまり少し偏った食事です。 健康全体を維持し、強い肉体を育み、年齢を重ねても若々しくしようとする目的には合致しないのです。 よく聞く失敗として肝臓サポート食を初期段階から使ってしまうケースがあります。 本来は末期症状として見られる高アンモニア血症の対応策として検討するべきで、ALTやALPがちょっと高いくらいで常用していると無効というよりも健康維持を難しくしてしまうかもしれません。 あとは二種類以上の療法食を混ぜているケースもときどき見かけます。 基本的に療法食は何かを除去した(減らした)食事です。 組み合わせると両方の効果を得られるように勘違いしがちですが、お互いの効果が減弱するケースもあるので簡単ではありません。 費用ばかりかかって効果が下がるといったことにならぬよう獣医師とよく話し合いましょう。 正しく療法食を使えば、病気の進行度によっては寿命が伸びるでしょう。しかしながら気軽に与えて構わないと考えていると思わぬ落とし穴にはまることがあります。 頭の片隅に置いておいてください。

無駄な薬が寿命を縮める

本来、薬の目的は病気治療です。しかし薬には望む作用だけでなく、望まざる作用つまり副作用が必ずあります。 みなさんは動物病院で薬の説明を受けると思いますが、副作用のすべてを教わっている方はほぼいらっしゃいません。 薬によっては添付文書に警告欄があり、死亡事例も含む重大な副作用が記載されているのですが、それを教えてくれる専門家は本当に少ないのです。 そうしたリスクよりも使うメリットが上回っていれば与えてもらって良いのです。 しかし説明不足でリスクを知らぬままに与えるのは危険であり、場合によっては寿命を縮めます。 動物に使われる薬の一部について、トーク画面から読めるようにしてあります。 時間のあるときにチェックしてみてください。

どうしてこんなに病院の料金が高いのか?

病院の料金はなかなかの高水準です。 5年前、10年前に比べて明らかに上昇しています。 保険が効かないからと、そう単純な話ではありません。 むしろ保険を使う方は薬や検査が多くなりがちで、結局医療費が高く付くケースもあります。 病院の料金が高い理由は簡単です。 お客さん、つまり犬猫が減っていたり、この先で激減することが予想されているためです。 ちなみに以前1200万頭いた犬は、いまおそらく700万頭くらいに激減しており、おおかた私の予想していた通りになっています。 この減少傾向はこの先も続くでしょう。 テレビなどのメディアではほとんど伝えられませんが、そうした状況を当然のことは獣医師たちも知っています。 客数が減ったら、一人からたくさん頂くのはどの業界でも同じです。 しかもこの状況下で動物病院の数は増えているのです。 この医療費の増加がさらに犬猫の減少を招き、また医療費が増大するという負のサイクルに入ってしまっています。 ここであまり詳しく書けないので関心のある方は個別でお願いしたいのですが、まずみなさんに考えて欲しいのは相手が専門家であっても丸投げにしないということです。 食事の工夫など、知識と知恵を使えば対応できることは多々ありますし、それをお伝えするのが私の使命だと考えております。

なぜネット情報で間違えを犯しやすいのか

まず最初に断っておきますとインターネット自体は悪くありません。そこに記事を書いている人たちの中には、いろいろな人がいますという話をお伝えします。 まずネットを見ていると似通った内容が多いことに気づくと思います。 もし執筆者が一人ひとり自分で経験してきたことを基に自分の頭で考え、自分の価値観に照らして記事を書いているならば、そうそう似た記事にはなりません。 似た記事がいくつも存在する理由は、他のサイトをコピーしているからです。 正確に言いますと、コピーして多少書き換えて、写真などを入れ替えて記事にします。 これは業界では当たり前の手法で、リライトと呼ばれています。 記事を短期間に量産するときに推奨されているやり方で、この方法によれば執筆者が犬や猫を飼っていなくても記事を書くことができます。 獣医師から勉強を教わらなくても、たぶん中高生であっても書けてしまいます。 また記事のコピーは一回では終わりません。 そのコピー記事をまた誰かがコピーして書き換える可能性も大いにあるわけです。 素人さんが少しずつ書き換えるのですから、伝言ゲームのように最終的にはおかしな記事に仕上がってしまう可能性もあります。 また今のインターネットにはアフィリエイトと呼ばれる仕組みのサイトが多々あります。 サイトに広告を貼り、それをクリックしてもらうことで報酬をもらえる仕組みで、前々からありましたが数年前の副業解禁で一気に増えた感があります。 そうしたサイトもやはりリライト手法によって量産されやすく、犬を飼っていないサラリーマンでも副業として容易に参入可能です。 それに比べて動物病院のホームページは情報源としてはまだだいぶ良いですが、どこも経営が厳しくなりつつある状況下では、中立的なところばかりではないだろうと推測できます。 いまの時代にいる我々はどうしてもそうした情報源から学ぶことになってしまいます。 ついついどこのサイトにも書いてあると正しい情報だと考えがちですが、たくさんのコピーを読んでいるだけかもしれません。 なおグーグルなどの検索エンジンは記事に順位をつけて、順番に表示します。 ですので執筆者はアクセス数を稼ぐために、順位を上げるためのセオリー(SEO対策と呼ばれています)に従って書くことになります。 ちなみに正しいことをズバッと簡潔にまとめた記事よりも、5000文字くらいだらだら書くほうがグーグルに好かれるケースもあります。 何時間読んでもあまり勉強にならないという場合は、そのようなウラ事情があることも知っておくと良いかもしれません。 こんな時代だからこそ、私たちは自分の目を信じ、そして養い、個々の飼い主力を高めていく必要があると言えるでしょう。

【はじめに】LINEではより真剣なアドバイスをしています

LINEではホームページよりも真剣な話を多く伝えております。 場所によって真剣度が違うのは少しおかしいと思われる方もいらっしゃるかもしれません。 ですがホームページのようなだれでも閲覧できてしまうところに思い切った本音の部分を書くことには少々のリスクがあり、実際になかなか難しいものがあります。 それは私のような薬剤師だけでなく、獣医師も医師も同じでしょう。 学びを深めていく中では「これは気軽に人には言えない」といった話も当然入ってきます。 それを伝えるにしても場所や相手をどうしても考えなくてはなりません。 勝手なことで申し訳ありません。 本音を書きやすさの順番をつけるとしたら、私は次のように考えています。 1.対面で個々に話すとき 2.ZOOMなどの相手が見える会議 3.電話相談やLINE通話 4.LINEメッセージ 5.メール 6.あまり使っていませんがSNS 7.ホームページ ※順位に載せていませんが、相手が獣医師のとき、会社スタッフのときは、さらにもっと本音を出します。 ご愛犬ご愛猫の病状があまり良くないとき、本気で健康を掴もみたいがあまり時間をかけられない飼い主様には、LINEでも可能な限りかなり突っ込んだ話をするようにしています。 いま健康でうまくいっている方からすると、少し言いすぎだろうと思われてしまうかもしれません。 その点、本当に申し訳なく思います。 もちろん毎回本気度全開の話ばかりでなく状況に応じてだいぶ緩めの話もさせて頂きます。 回復し、調子が良くなれば、いつまでも気を張り詰めている必要はないですし、ペットを飼うことの本質である「人生を豊かにする」にシフトしたお話しを伝えるように心がけております。 至らぬ点も多々ありますが、役立った、目からウロコだったという連絡を励みに、これからも精進してまいります。 あとひとつ、ペットの健康法はほとんどそのまま人にも応用可能です。 ここで学んだことが、飼い主様にも役立つものとなればとても嬉しく思います。 では、ぜひ一緒に学んでまいりましょう。