顎関節症とTCH
痛みを伴う顎関節症の患者さんの60〜70%が、「TCH:Tooth Contacting Habit(上下の歯の接触癖)」を持つことがわかっています。
①1日に歯は20分以上接触してはいけない
顎関節も膝や肘などと同じく関節構造なので、使いすぎれば悲鳴をあげます。歯と歯は20分以上の接触が1日にあると使い過ぎていることになります。
口を閉じて軽く歯を接触させてみましょう。この状態で頬の咀嚼筋やこめかみより上の筋肉を指で触ります。この程度の接触でも筋肉が緊張しているのを理解することができます。
②行動変容法
以前の顎関節の治療は、マウスピースや咬み合わせの調整などをすぐにしていました。現代の治療は行動変容法をまずは行い、歯の接触自体を減らしていくところからスタートします。
張り紙、携帯のアラームなどを設定して、「リマインダー」を作ります。1時間に一度などの頻度でリマインダーから合図があった時に上下の歯が接触していないかチェックします。強く咬んでいなくても歯が触っている場合は、深呼吸などをして脱力し、歯が自然に離れる感覚を習慣化していきます。
③くり返す
②のステップをくり返すことにより、リマインダーがなくても上下の歯の接触に気づくようになります。歯を咬み合わせても自分で気づいてやめるという行動パターンを身につけます。