コンポジット無機
「コンポジット無機」は、塗料の分野で特に注目されている技術で、無機成分と有機成分をナノレベルで組み合わせた塗料を指します。この技術は、従来の塗料の弱点を克服し、優れた耐久性や低汚染性を実現するために開発されました。
🎨 コンポジット無機塗料の特長
🛡️ 超耐久性と超低汚染性
ナノコンポジット無機塗料は、ナノテクノロジーとハイラジカル制御技術を組み合わせることで、非常に高い耐久性と低汚染性を両立しています。特に、水谷ペイントの「ナノコンポジットMUKI」は、25年という業界最高水準の耐候性を誇ります。これは、無機成分である超微粒子シリカを耐久性のあるラジカル制御型シリコン樹脂で包み込む「コアシェル型ナノコンポジット樹脂」の技術や、酸化チタンの周りに光安定剤(HALS)を多く配置することでラジカルの発生を抑制し、塗膜の劣化を防ぐためです。
🚿 セルフクリーニング機能
塗膜中に緻密に分散したシリカ粒子が無機質的な特性を持つため、汚れが塗膜に浸透しにくく、雨によって汚れが洗い流される「セルフクリーニング機能」を持っています。これにより、建物の美観が長期間保たれます。ただし、雨がかかりにくい場所ではこの機能が十分に発揮されない場合があるため、注意が必要です。
🦠 防カビ・防藻性
カビや藻の発生を抑制する機能も備わっており、建物の美観を衛生的に保つことができます。水谷ペイントからは、特に防藻性を強化した「ナノコンポジットW防藻+」も販売されています。
🎨 色や艶の劣化抑制
紫外線や雨に非常に強いシリコン化合物を塗膜中に導入することで、色や艶の劣化が最小限に抑えられます。この耐候性は、日射量や降雨量の多い西表島で行われた暴露試験によって、「耐候型1種」に匹敵することが証明されています。
🧪 環境への配慮
多くのコンポジット無機塗料は水性であるため、塗料特有の刺激臭が少なく、シンナーなどの有機溶剤の使用を抑えることができます。環境負荷の低減にも貢献する、エコな塗料と言えるでしょう。