摩周湖は、アイヌ語で「カムイトー」。神の湖と呼ばれる、神秘の場所です。 展望台に立つと、吸い込まれそうなほどの深い青色の湖水が広がり、雲の動きによって刻々とその表情を変えていきます。この青は「摩周ブルー」と呼ばれ、世界でも一級の透明度を誇る湖水に、空の青が映りこんで生まれる独特の色。風のない日はその青さがいっそう際立ちます。 湖の周囲は急峻な壁になっていて、湖面に下りることはできません。摩周湖周辺は、国立公園の特別保護地区。人々を寄せつけぬ美しい湖の神秘は、悠久の時を経て今なお多くの人を惹きつけてやみません。
硫黄山の地下マグマで温められたお湯が、地下にある岩盤層を流れていき、地上では川湯温泉街がある場所に噴き出しています。 「川湯岩盤テラス」は、川湯温泉を象徴するエリアで、2024年10月に改装が施され、観光スポットとして更に注目されています。 ここは硫黄山から続く岩盤層が目で見えるスポットで、お酒を嗜む”升”のような石垣で囲われた場所からは、硫黄の成分がたっぷりと含まれた強酸性のお湯が吹き出しています。 各泉源から湧き出したお湯は、ホテルや入浴施設へと送られ、お風呂や、温泉熱暖房として利用されています。
屈斜路の語源は、アイヌ語で湖や沼の出口を意味する「クッチャロ(のど元)」に由来します。世界でも有数の大きさを誇る屈斜路カルデラに位置する、国内最大のカルデラ湖です。 火山活動から生まれた湖だけあって、湖畔には多くの温泉が湧出。野趣あふれる露天風呂が点在するほか、蒸気の噴出する珍しい場所、温泉熱を活用した農業用ハウスや大型ホテルなどもあります。また12月頃から徐々に結氷が進み、3月頃まで全面結氷した姿をみることもできます。 屈斜路湖の魅力は何といっても圧巻のスケールと親しみやすさ。北海道らしい雄大な風景が広がりながらも、湖畔を訪れる人々を優しく内包する大らかさが多くの人を惹きつけます。また、巨大な湖にも関わらず水がとても美しいことも、特徴のひとつ。水源の8割が湧き水であるとも言われています。美しい水を求めて、夏にはキャンプやカヌー、ヨットなどのウォータースポーツを楽しむ人々が、冬にはシベリアからの旅人であるたくさんの白鳥たちが、この湖に集います。
名湯「川湯温泉」の湯の源である「アトサヌプリ」は、アイヌ語で「裸の山」を意味します。その名の通り、山肌は木々が生えておらず、そこかしこからゴウゴウと音を立てながら噴煙が上がり、その数は1000以上ともいわれ、周囲には硫黄の独特の匂いが立ち込めています。地元では長年「硫黄山」の名でも親しまれており、噴気口を目の前で観賞できることから、訪れた観光客をそのダイナミックさで常に驚かせています。かつては硫黄採掘で栄えたこの山は、採掘した硫黄を運び出すために敷設された鉄道を通して、弟子屈の町の発展の礎を築いた場所でもあります。2023年に改装リニューアルした硫黄山MOKMOKベースの展示にて、往時の様子を知ることができます。