エビデンスに基づいたセルフケアの流れ

セルフケアをする際に、「カリエスリスク(むし歯)」「ペリオリスク(歯周病)」「咬み合わせのリスク」のどれが自分にとってポイントかを把握すると、要点をおさえたケアができます。 正しい歯みがきの順番は以下の通りです。 ①歯間清掃 ②歯ブラシによる清掃 ③うがい薬を使ったうがい ④フッ化物での仕上げ 「汚れをとる」→「菌を殺す」→「薬剤でコートする」という流れがわかると理解しやすいと思います。 【歯間清掃】 歯ブラシに、フロスや歯間ブラシでの歯間清掃を追加することで、歯肉炎の抑制につながるといわれています。歯は4つの面があるため、「ペリオリスク」の高い方は、歯間ブラシでの清掃を重要視しましょう。歯ブラシの前に歯間清掃をする方が有効という細かいデータもあるため、最初に歯間清掃をすすめています。 【歯ブラシ】 歯ブラシは、道具によっての優劣はあまり示されているものがありません。当院ではバス法、スクラビング法の2つの方法を主に患者さんにお薦めしています。 バス法は、根元の付近に歯ブラシを当てる方法で、「ペリオリスク」の高い方に歯肉の周辺を磨くことに意識を持ってもらうことがポイントです。 スクラビング法はバス法よりも簡単な横に細かく磨く方法なので、「カリエスリスク」も含めてリスク因子が多いような歯磨きが苦手な方におすすめしています。 【うがい】 歯間清掃と歯ブラシで汚れをとった後に、菌を静菌・殺菌するためにうがいをします。 うがい剤はクロルヘキシジン含有のものをおすすめしていますが、日本ではアレルギー症状などを危惧して海外のエビデンスのあるものよりも濃度の低いものしか手に入らないのが現状です。 国内で手に入る代替物として、リステリン、コンクールなどを推奨しています。 【フッ化物】 汚れをとり、うがいで殺菌した後は、フッ素で歯質を強化します。 きれいにした歯ブラシに、フッ化物の入った歯磨き剤をつけて歯面全体に行きわたらせます。 うがいは、1回程度にし、フッ素を口腔内に残すことがポイントです。 国内で使える歯磨き剤のフッ化物濃度は1500ppm(成人)が上限です。歯磨き剤は、この数値に近いものを選びましょう。