「九九」が言えないまま大人になる子どもたち

子どもたちの不登校・自殺の増加、教員の病欠・早期退職・なり手不足……。 2006年の安倍政権が〈戦後教育〉を破壊し出してから18年—— その“成果”が今、こんなふうに現れている!!

芦別――炭鉱〈ヤマ〉とマチの社会史

嶋﨑尚子・西城戸誠・長谷山隆博 編著 B5判/並製/340頁(口絵52頁) 芦別最後の坑内掘炭鉱の閉山(三井芦別炭鉱1992閉山)から30年をへて明らかにされた〈炭鉱内部の仕事〉〈賃金〉〈労働者の移入・移出〉〈事故の発生状況〉、そして〈住まい〉や〈子どもの学校〉〈女性たちの活動〉……。炭都・芦別に移住し、働き、暮らし、そして去って行った膨大な人たちの足跡を追った、気鋭の研究者たちによる〈炭鉱研究〉〈地域史研究〉の比類なき一冊。 《目次》 はじめに……嶋﨑尚子 〈写真記録〉 昭和の芦別……長谷山隆博 編 〈第1章〉石炭と電力のマチ――国産エネルギー供給地としての芦別の歴史……島西智輝 【コラム】 芦別の中小炭鉱 島西智輝 【コラム】 ヤマを開発した実業家・投資家たち 島西智輝 〈第2章〉ビルド鉱三井芦別の人員確保と労働者の定着……嶋﨑尚子 【コラム】 三井芦別の社宅建設と炭住街の形成 嶋﨑尚子 〈第3章〉ビルド鉱の衰退と閉山――芦別を去る人・留まる人……嶋﨑尚子 【コラム】 改良住宅への建替えと炭住生活の変貌 嶋﨑尚子 〈第4章〉樺太引揚者の足跡から辿る戦後の芦別と石炭産業……坂田勝彦 【コラム】 炭鉱間移動と「ヤマの仲間」 嶋﨑尚子 〈第5章〉炭鉱の学校と子ども……笠原良太 〈第6章〉三井芦別炭鉱での仕事……清水拓 【コラム】 明治期の炭鉱開発と炭鉱労働者 長谷山隆博 【コラム】 戦時下の炭鉱開発と炭鉱労働者 長谷山隆博 〈第7章〉災害報告から読む三井芦別炭鉱の事故……長谷山隆博 【コラム】 三井芦別の労働生活 島西智輝 【コラム】 石炭運送と鉄道 長谷山隆博 〈第8章〉三井芦別労働組合と精妙な賃金体系……中澤秀雄 【コラム】 三井芦別と北日本精機 島西智輝  〈第9章〉炭鉱町から地方都市へ――戦後芦別市の地域産業構造と社会移動の変遷……新藤慶 【コラム】 芦別支店、芦別営業所、芦別鉱業所 新藤慶 〈第10章 〉芦別で働いた人たち――芦別出身者と転入者の比較を通して……新藤慶 【コラム】 炭鉱全盛期の飲食店 長谷山隆博  〈第11章 〉芦別の女性たちの組織活動――主婦会・婦人会、生活学校を中心として……西城戸誠 【コラム】 炭鉱と農業――炭鉱周辺の農業従事者 西城戸誠 〈終章〉炭鉱は芦別に何を残したのか――まとめにかえて……西城戸誠 あとがき……長谷山隆博 年表 索引 [編著者略歴] 嶋﨑尚子……1963年、東京都生まれ。早稲田大学文学学術院教授。専攻はライフコース社会学、家族社会学。 西城戸誠……1972年、埼玉県生まれ。早稲田大学文学学術院教授。専攻は環境社会学・地域社会学。 長谷山隆博……1959年、北海道生まれ。1993年の星の降る里百年記念館開館から芦別市で学芸員として勤務、2020年に定年退職。現在、同館アドバイザー。専攻は日本考古学、北海道近現代史。 [執筆者略歴] 笠原良太……1990年、茨城県生まれ。実践女子大学生活科学部生活文化学科専任講師。専攻は家族社会学、ライフコース社会学。 坂田勝彦……1978年、千葉県生まれ。群馬大学情報学部教授。専攻は社会問題の社会学、生活史研究。 島西智輝……1977年、北海道生まれ。立教大学経済学部教授。専攻は日本経済史・経営史。 清水拓……1991年、長崎県生まれ。早稲田大学総合人文科学研究センター招聘研究員、法政大学大原社会問題研究所兼任研究員。専攻は産業・労働社会学。 新藤慶……1976年、千葉県生まれ。群馬大学共同教育学部准教授。専攻は地域社会学、教育社会学。 中澤秀雄……1971年、東京都生まれ。上智大学総合人間科学部教授。専攻は地域社会学。

利尻島から流れ流れて本屋になった

書店は、故郷だ。 ゴールの見えない多忙で多様な仕事と、 ふとした拍子に思い起こされる大切な記憶—— 最北の風味豊かなエッセイ集。 四六判並製168頁/定価:本体1700円+税 〈解説〉北大路公子 —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 書店では文庫担当に始まり、文芸書、新書、地図ガイド、人文書、医学書、児童書と様々なジャンルを転々としてきた。発注をし、品出しをし、多くの取引先の方と商談をし、時にはアルバイトさんの面接や研修、フェアやイベントの企画なんかもしている。とにかくやることが多く、ゴールの見えない仕事だ。休みの日に何もする気にならないのは、その反動なのではないかとさえ思っている。 故郷である利尻島には、年に二回ほど帰省している。今ではもうすっかり「お客様」になってしまった。実家にいると、何もしなくても新鮮な海産物が出てくるし、帰りにはどう考えても一人では消費不可能な量のお土産を持たされる。迷惑な反面嬉しくも思うが、最近では、島を出てからの時間の方が長くなってしまったことに寂しさを覚えている。この先、頻繁に帰ることがなくなっていったら、そこで過ごした記憶も少しずつ消えていってしまうのだろうか。 この数年、そんなことを考えながら家と職場を往復するうちに、自分の中にある変化があった。来店する家族やカップルの会話が聞こえた時。首や腰の痛みに耐えながら品出しをしている時。面接や商談で人と話をしている時。入荷してきた新刊に目を通した時。仕事帰りに何気なく夜空を見上げた時。別にどうってことない瞬間に、ふと故郷の記憶が頭に浮かんでくるのである。(「はじめに」より) —*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*— 著者 工藤志昇(くどう・しのぶ) 1988年、北海道利尻富士町生まれ。中学卒業後、札幌の高校へ進学。金沢大学文学部卒業後、研究者を志すも挫折して札幌へ戻り、三省堂書店で働き始める。文芸・文庫担当、医書担当、新書担当を経て、現在、児童書・人文書担当。