【たとえそれがニッチだとしても】 ある日、わたぬき代表が次に仕入れる生地の見本帳を眺めていた。 斜め後ろから、その見本帳を鋭い眼光でもって覗く、二つの瞳。 代表が見本帳を閉じてその場を離れた刹那。 テーブルに置くが速いか、ハゲタカのように見本帳をぶんどる者がいた。 wafu.パタンナーにして職権濫用のプロ、依田ちえ。その人である。 ───────── 彼女は穴が開くほどその見本帳...