肝臓は内蔵の中でもっとも重く、多種多様の働きをこなす臓器です。
生命の恒常性に深く関わる働きが多いために24時間休むことがありません。

解毒においても中心的な役割を担います。
肉食に由来するアンモニア/インドール/硫化物、病院で投与される様々な薬物、残留農薬など、人も動物も常に毒にさらされていますが、健康を維持できているのは肝臓の働きによるところが大きいと言えます。

毒の処理施設とも言える肝臓は、集まってくる毒によって肝臓自体がストレスを受けます。
そして実際にダメージを被り、日々壊れ続けています。
体の身代わりになり、被害を一手に引き受けているイメージです。

壊れる度合いがひどいと、肝臓内の酵素が血液中に大量に漏れ出します。
ALTは肝臓に多く存在している代表的な酵素ですが、血液検査で高いときに肝障害が疑われるのは、前述のようなメカニズムがあるためです。

ここで、壊れ続ける肝臓がどうして長いあいだ元気でいられるのか?という疑問が生じたかもしれません。
それは肝臓には他の臓器ではあまり見られない、自己再生能力が備わっているためです。
壊れる肝細胞に対して同じだけの新しい細胞が生まれることで、肝臓はいつまでも正常を保てるように設計されています。

このように肝臓は壊れることを前提とした臓器です。
壊れるスピードに再生スピードが追いついていれば健康であり、何らかの理由で壊れるスピードのほうが速いときを「病的」と言って良いでしょう。

もちろん老化による衰えもあります。
それであってもこの基本的な肝臓の仕組みはぜひ理解しておいてください。
理解せずに治療に望んでしまうと、どうしても道を誤りやすくなるでしょう。

正直なところ、薬物を使ったマニュアル的な治療では限界があります。
肝臓が壊れるスピードをおさえ、再生スピードを高めるような対策を講じて、治療効果を高めましょう。

状況をお聞きしてその子にあった方法をアドバイスしております。
必要なときはLINEチャットなどからご相談ください。