美空ひばりが歌うような歌は書かない、と言った阿久悠の言葉は、旧態依然とした歌謡曲の世界への決別宣言のように見える。しかし、別の見方をすればひばりへの憧憬、いつか自分の詞でひばりに歌ってもらいたい、そういう思いもあったのではないか。いくつかそう思わせる事実がある。ひばりの歌を阿久悠は書いているのだ。

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のちに中山大三郎は島倉千代子の「人生いろいろ」の作詞をする。初めはまったく趣の違う歌だった。下戸の島倉千代子に酔わせてしまうような歌を、と中山は書き、「笑いばなしにして」が題名だった。そしていつの間にか「人生いろいろ」となりＢ面からＡ面に格上げされた。

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田勢康弘の昭和歌謡...

たけしときよしは初め松鶴屋二郎・次郎でデビューしたが売れずにコロムビア・ライトに弟子入りし「空たかし・きよし」で出た。たけしは名古屋で当時人気絶頂のＢ＆Ｂの漫才を見て衝撃を受ける。それまできよしが書いていた台本を自分で書くことにし、芸名も「ツービート」に変更、そこから一気に頂点まで上り詰める。

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山梨県で生まれ、鹿児島で育った森進一は中学を出ると上京し、バンドボーイなどをして働く、と履歴にはある。そのころ東京の立川市のレストランで働いていた、という事実かどうか確かめようのないささいなことが、僕の森進一像のど真ん中に存在しているのだ。

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田勢康弘の昭和歌謡裏話、こぼれ...

マイクを持ったＧさんは、仕草も姿形も裕次郎に見えてくる。
「たどり着いたら」の冒頭部分ですでに裕次郎と同じだった。似ているという範囲を超えている。同じとしかいいようがない。どうして？と訝る僕に同席した人々が説明してくれた。

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田勢康弘の昭和歌謡裏話、こぼれ話/ 「出会えた人...

この「不良中年二人組」の人気を不動のものにしたのはオリジナル曲「涙のワンナイト首里城」（作詞作曲:トカシキミツオ）「那覇のネオンの海を抜け　辿り着いたの首里の街　あなたと出会った石畳　今日も雨が降っている」。とくにこの歌のサビは「シュリ　シュリ　シュリ　シュリ　首里城　昔大学　今は城」というくだりで、誰の耳にも必ず残る。

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世は歌につれ／田勢康弘
最新号ストイカより配信中！

20.人生が声に乗り移るひばりの難曲
https://stoica.jp/columns/another-day_another-song/54

21.「海峡」絶品　都はるみは魂のロック
https://stoica.jp/columns/another-day_another-song/56

バックナンバーも阿部重夫氏のコラムを新たに...

五月みどりは一時、オペラのアリアに挑戦していた。演歌をまったく歌わないコンサートを聴きに行ったことがある。まったく違う歌い方で堂々としていた。絵を描かせればすごいし、書もうまい。何事にも器用な人なのだ。多分、８０歳すぎても、あのままの五月みどりだろう。
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田勢康弘の昭和歌謡裏...

五木の目はうるんでいるように見えたが、このとき聴いた「男の友情」がぼくにとっては最高だった。歌はねぇ、心で歌うものですよ。これが船村の口癖で、いろいろ訊いてもあまり技術的なことは云わない。

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田勢康弘の昭和歌謡裏話、こぼれ話/ 「出会えた人出会えなかった人 船村徹　その２」...

美樹克彦は「まだちゃんとした曲になっていない歌がある。実は星野哲郎先生に詞をお願いした歌なんだ」と話した。星野哲郎には僕も相当な思い入れがある。聞けば「一生のうちに一回しか咲かない高山植物があるんです。花一花（はないちげ）という題で詞を書いてください」と植物図鑑持参で頼んだという。

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小田純平の真骨頂はライブ。ともかくやたらと面白いのである。小田の父親は旅回りの芸人。父親につれられ、舞台に立ち続け、３歳で「九段の母」（作詞：石松秋二作曲：能代八郎）「上野駅から九段まで　かってしらないじれったさ」を歌っていたという。
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田勢康弘の昭和歌謡裏話、こぼれ話/ 「...

音楽の世界でこの人を知らない人はまずいない。そしてこの人が知らない音楽も歌手も作者もいない。
板橋のインタビューを住まいの近くの小料理屋でＭ氏同伴で話を訊いた。

田勢康弘の昭和歌謡裏話、こぼれ話/ 「出会えた人出会えなかった人 長田暁二」

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#こころ歌

清水節子を“見つけた”ときは、体が震えた。小林旭の「落日」（作詞:川内康範 作曲:北原じゅん）「うらぶれこの身に　吹く風悲し　金もなくした　恋もなくした」旭のハイボイスと対照的な低音である。ぞくぞくするような歌い方で、ほかにもたくさん「男唄」を歌っている。

田勢康弘の昭和歌謡裏話、こぼれ話/ 「出会えた人出会えなかった人 清水節子」

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この吉幾三と、郷里に建てた「ホワイトハウス」という名の巨大な洋館。このギャップが吉幾三なのだろう。津軽弁を広めたという意味では功労者の一人である。酒をまったく飲めないぼくは「酒よ」（作詞作曲:吉幾三）「涙にはいくつもの思い出がある　心にもいくつかの傷もある」を聴くと、飲んでみたくなるから不思議だ。

田勢康弘の昭和歌謡裏話、こぼれ話/ 「出会えた人出会えなかった人 吉幾三」

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編曲の多かった若草恵は最近は作曲もたくさん手がけている。この人の体の中にはフランス映画の音楽のようなメロディーが流れていると思う。
課題曲「スター」（作詞:清志郎 作曲:若草恵）「もういいじゃない　これから先も　スター　それは無理さ」は演歌のような歌詞なのに見事なシャンソンに仕上がっている。

田勢康弘の昭和歌謡裏話、こぼれ話/ 「出会えた人出会えなかった人 若草恵」

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歌の大会を開こうなどということを具体的に考えたきっかけは五木寛之である。
私が８年続けてきた報道番組に出てもらったとき、いま、歌が危機的状態にあるのではないか、という話を持ちかけた。「そう思われるなら動いてみたら。協力しますよ。」ということだった。

田勢康弘の昭和歌謡裏話、こぼれ話/ 「出会えた人出会えなかった人 五木寛之」

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伊藤のライブに何度か行った。いつも満席である。バックバンドがすごい。エレキギター、ヴァイオリン、ピアノなどのほかに三味線、太鼓、パーカッションと豪華だ。ジャズ・サックス奏者の坂田明も加わる。伊藤の娘、孫娘まで総動員で、ステージが実に面白く客をあきさせない。
田勢康弘の昭和歌謡裏話、こぼれ話/ 「出会えた人出会えなかった人 伊藤多喜雄」

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島倉千代子が南こうせつに掛けたお礼の電話の声の録音が彼経由で僕のスマートフォンに残っている。１分２５秒　そのすべてを記録として掲載する。

田勢康弘の昭和歌謡裏話、こぼれ話/ 「出会えた人出会えなかった人 南こうせつ」

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#こころ歌

この声と歌い方、とりわけ魅力のある低音はポルトガルのファドにぴったりだ。ポルトガルのリスボンでファドを聴きに行ったことのある僕は、かなりかぶれていた。ファドの女王アマリア・ロドリゲスの「Foi ontem（昨日）」...

田勢康弘の昭和歌謡裏話、こぼれ話/ 「出会えた人出会えなかった人 西山ひとみ」
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陽水の独特の声と話し方、そして存在感は古稀に近いいまでもまったく変わらない。父親が歯医者で、本人も歯科大を受験し、何回か落ちている。合格していれば井上陽水という歌手はいなかっただろう。

田勢康弘の昭和歌謡裏話、こぼれ話/ 「出会えた人出会えなかった人 井上陽水 その2」
https://heartful-song.com/taseblog_urarabanashi040/

#こころ歌

詞を書くとき、わざと意味不明なことを書き連ねるようにしているの？と訊いたことがある。「そうねぇ、吉田拓郎がね、同じようなことを言ってましたねえ」「皆さん、お元気ですかぁ」というあの有名なＣＭと同じトーンで話す。表も裏もすべて井上陽水なのである。

田勢康弘の昭和歌謡裏話、こぼれ話/ 「出会えた人出会えなかった人 井上陽水 その1」
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作曲家、船村徹は美空ひばりや島倉千代子、村田英雄、ちあきなおみ、大月みやこ。いろいろな大歌手に曲を提供しているが、僕は船村徹の弾き語りが一番好きだ。

田勢康弘の昭和歌謡裏話、こぼれ話/ 「出会えた人出会えなかった人 船村徹」
https://heartful-song.com/taseblog_urarabanashi038/

#こころ歌

最近頼まれたときステージで歌うのはまず森進一の前述の
『命あたえて』、『それは恋』、『京都去りがたし』（作詞:売野雅勇作曲:森進一）「比叡おろしの吹く夕暮れは　仕方ないほど　あゝ　淋しくて」

田勢康弘の昭和歌謡裏話、こぼれ話/ 「歌い手遍歴その９」
https://heartful-song.com/taseblog_urarabanashi037/

#こころ歌

放送当日の早朝、スタジオでリハーサルをしていた弦哲也に呼ばれ、何事かと行ってみると「１番を田勢さん歌ってください。」

田勢康弘の昭和歌謡裏話、こぼれ話/ 「歌い手遍歴その８」
https://heartful-song.com/taseblog_urarabanashi036/

#こころ歌

８年間続いた報道番組「田勢康弘の週刊ニュース新書」（テレビ東京系列）で、ときどき音楽をテーマにしてきた。テナーサックスのソニーロリンズ、クミコ、船村徹、山崎ハコ、小田純平などがスタジオで生演奏してくれた。

田勢康弘の昭和歌謡裏話、こぼれ話/ 「歌い手遍歴その７」
https://heartful-song.com/taseblog_urarabanashi035/

#こころ歌

僕もメンバーになっている「エンジン０１文化戦略会議」主催の「長岡音楽祭」、わかりやすく言えば、メンバー（ほとんど有名人）のカラオケ大会である。
演出はメンバーの秋元康。司会は中井美穂とパティシエの鎧塚俊彦。

田勢康弘の昭和歌謡裏話、こぼれ話/ 「歌い手遍歴その６」
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#こころ歌

福島県で最も読まれている新聞、地方紙「福島民報」にて 、2次予選結果、決勝大会延期、第3期課題曲CDなどの記事が掲載されました。

福島県ゆかりの方々はお名前も掲載されております。

第3回 全日本こころの歌謡選手権大会 in 福島 福島民報掲載
https://heartful-song.com/contest2020-21_fukushimaminpo03/

#こころ歌

島倉千代子をずっと見ていて、一番感じたのは、普通の人の幸せな生活とはまったく無縁だということである。

田勢康弘の昭和歌謡裏話、こぼれ話/ 「出会えた人出会えなかった人 島倉千代子 その3」
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#こころ歌

それからしばらく、毎日のように島倉千代子を追いかけた。彼女が行動するすべてを観察する。旅先でもどこへでも付いていく。寝室、トイレ、風呂以外のところはほとんどである。

田勢康弘の昭和歌謡裏話、こぼれ話/ 「出会えた人出会えなかった人 島倉千代子 その2」

https://heartful-song.com/taseblog_urarabanashi032/

#こころ歌

島倉が口を開いた。「私、実は何も知らない人間なんです。」うつむき加減にそう言った。
何も知らないなどと言った人間を初めて見た。なんでも知っているようなことを言いがちな政治家などに会うのが僕の仕事だけに、驚いた。

田勢康弘の昭和歌謡裏話、こぼれ話/ 「出会えた人出会えなかった人 島倉千代子 その1」
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全日本こころの歌謡選手権大会

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